瞳の奥に
何度も浮かんでは消える
そうくんの笑顔。
あの微笑みに魅せられ
あたしはしてはいけない親友の彼氏に恋をして。
だけど決して後悔なんかしてないの。
あなたを好きになった事も全て
あたしの心に刻まれているから。
あの海でしたキスは
きっと死ぬまで忘れたりなんかしない。
あなたの温もりも
声も
瞳も
あの香水も
全てが
あたしの体に残ってる。
「××海岸まで。急いで下さい!」
運命なんかで結ばれていなくても
あたしがきっと繋いでみせる。
だからどうか…
「お釣いらないです!」
どうか、もう一度
その笑顔を。
ザザンと鳴る波飛沫。
夏の終わりに
海岸は寂しそうに唸り声をあげる。
そうくん………?