暑い夏。



今年の夏は
全てを焼き尽くす程の猛暑で

きっと、地球が悲鳴をあげている証拠。




助けを求めても
きっともうどうにもならない。


もう、元には戻らない。





戻れないんだ。








「香苗ったら!」


香苗の肩を掴んで振り向かせるあたし。

家に上がり込むなり
扉という扉を開けて回る香苗は
あたしの目から見ても異常だった。




「何なの?一体どうし…」


パシンという音と共に
振り払われた腕。


あたしの言葉はそこで途切れた。




「そうちゃんはどこに居るの!?」


「……え…?」


そうくん…?




未だに理解出来ない頭で
その名前だけは聞き逃さなかった。




そうくんが何?
どうゆう事……?