どうしてだろう。
大輔との思い出の方がたくさんあるのに
あたしは
あんなに少ないそうくんとの思い出が忘れられなくて。
大輔の隣なら
あたしはきっと幸せだった。
だけどその幸せを手放してでも
そうくんの傍に居たかったんだ。
もう、二度と会えないのに。
どうしてあたしは
そうくんじゃなきゃダメなんだろう。
遠ざかる大輔の背中に
聞こえない程小さく呟いた。
「…ありがとう。」
ありがとう。
あなたに愛された日々は
きっと
これからもあたしを切なくさせるけど
それでも優しい思い出だから。
あたしはあなたを
絶対忘れない。
ありがとう、大輔。