思い出が淡く蘇る。
大輔の隣に居た日々は
あたしの心に色濃く記憶を残した。
彼の温もりに
何度あたしは救われただろう。
寂しくて電話をした夜も
大輔は優しくあたしの話を聞いてくれた。
ヤキモチ焼きで
少し照れ屋で
真っ直ぐにあたしを好きでいてくれた。
大輔に不満なんてなかった。
だけど―――…
「……ごめん…。
ごめんね、大輔…。」
あなたの愛が重たくて
抱えきれなくて。
「…っあたし……。」
その愛に甘えてばっかりだったあたしは
大輔にふさわしくない。
「……ごめんね…。」
ちゃんと、さよならをしよう。