「元気だったか?」


「……うん…。」



駅までの帰り道
久し振りに大輔と並んで歩く。



「まさか会うなんて思わなかった。」


そう言って笑う大輔は
少しだけ伸びた髪の毛をくしゃっと掻いた。




変わらない


大輔の笑顔。





「何か海音、痩せたな。」

「…そうかな…。」



うまく繋げない会話に
あたしは俯いたまま歩みを進める。




「……体、大丈夫か?」

「え……?」



その言葉に
大輔が切なそうに顔を歪めた。





「……子供の事…。


本当悪かった。」



耳障りな街の雑音に
大輔の震えた声。





切なさが
増してゆく。