その帰り
あたしは重たい気持ちを抱えたまま
香水を物色していた。



「あ、あった。」


目当てのその香水を手に取る。



うん、これだ…。


ほのかに香る香水に
あたしはレジを目指す。




あれから
ずっと付けていたそうくんの香水。


前に買った時
お金が足りなくて
小さい瓶のしか買えなかったあたしは

今日は一番大きいのを買いに来たのだ。




これでしばらくはなくならないかな。


財布からお金を出してレジの人に渡す。




そんな時――…


後ろに並ぶ人が香水をレジに置いた。




「お前ちゃんと並べよなぁ。」

「並んでんじゃねーか。」



え―――…?


背中から聞こえる懐かしい声。


あたしはゆっくり振り返った。





「……海音…。」

「…大輔……。」



やっぱり
大輔だった。