騒がしい街並み。

眩しい程きらびやかな夜のネオン。




学校の帰り
あたしはただ宛もなく街をぶらついていた。

雨はしつこいくらいにあたしにまとわりつく。



雨の中
意味もなく歩くあたしのローファーは
もうすでに靴の役目は果たしていなかった。

何だか傘を差すのもバカらしくなってくる。




空っぽの心に
シトシトと雨が染みを広げてく。


寂しさが
あたしの心を支配して。




点滅する信号がぼやけ霞んでた。



あたしは一人ぼっち。



恋人も親友も


大好きな人も



自分の手で失ってしまった。





今、あたしに


失う物は何もない。





「何か……疲れちゃったな…。」


霞む景色に
途切れる事なく流れる車の列。




あたしはゆっくりと


赤信号の横断歩道に足を踏み出した。