どうしてこんな事になっちゃったんだろう。
あたしがいけないのに
何故、傷つかなきゃいけない人が居るのだろう。
あたしはただ、そうくんを好きになっただけだったのに。
熱くなる目頭に
唇を噛み締める。
「沖村。」
その刹那、浦吉があたしを呼んで
続けてこう告げた。
「田村、退学届け出しに来たんだ。」
え―――…?
「…嘘…。」
「こんな時に嘘なんかつかねぇよ。」
はぁ。と溜め息をついた浦吉は
腕を組んで床に視線を向ける。
「それで!?もしかして受け取ったの!?」
机に身を乗り出したあたしに
立ち上がった浦吉は背中を向けて呟いた。
「受け取るはずないだろう。
俺はお前達の担任として卒業までちゃんと送り出したい。」