そう、今のあたしに携帯なんて必要ない。



持つだけ無駄だ。



「本当、いらないから。必要なら自分で買う。」


そう言い残して
あたしはリビンクを出て部屋へと戻った。





倒れるようにベッドへと体を預ける。




明日なんか、来なければいいのに。


香苗はもう
あたしに笑い掛けてはくれない。
ならばあたしは何の為に学校へ行けばいいのだろう。



自分の為。
そんな事行ったら、浦吉にそう言われるだろうな。



「はぁ……。」


チクリと痛む胸が
あれからずっと続いてる。





目を閉じると
急激な睡魔に襲われて
あたしは布団の中へと潜り込んだ。




寝よう。
考えてもこの現実は何も変わらない。


香苗にあたしの声は届かない。




そうくんは
もうあたしを映してくれない。