――あれから一週間が過ぎた。



「ほら、明日から学校でしょ。制服出しておきなさいよ。」

「……行きたくない。」


ポツリと呟いたあたしの言葉は
お母さんの耳には届かなかったようだ。






無事に退院したあたしは久々に自宅へと戻った。



お母さんが忙しく片付けをする。
あたしはソファに腰を掛けてテレビを付けた。



「携帯、買わなきゃね。もう使えないし。」

あの日。
病院の裏庭で落としたまま雨にさらされたあたしの携帯電話。


見つけた時にはすでに遅くて
電源の付かない画面はもう明りを灯さない。



「……別にいらないよ携帯なんて。」

「何よ、常に持ち歩いてたくせに。」


変な子ね。と溜め息を漏らすお母さん。