香苗は人一倍、他人の気持ちに敏感な子で。
もしかしたら
あたしの事も、自分のせいだと責任を感じてしまってるのかもしれない。
階段から落ちたのは
あたしの不注意であって香苗のせいじゃないよ。
そう伝えたかった。
また明日、電話してみよう。
痛む体に
あたしはベッドへ横になった。
例え
香苗がもう、あたしを受け入れてくれないとしても
ちゃんと話さなきゃいけない。
香苗に
伝えなきゃいけないんだ。
重たくなった瞼を閉じると
夜に浮かんでた三日月が闇に溶けて消えた。
明日も
また、晴れるかな。
晴れたらきっと
あたしも少し
頑張れるような気がしてた。