そんな会話を交わすあたし達に
廊下から走る足音が聞こえた。


そして勢いよく開いた病室の扉。





「……お父さん…。」


息を切らし
よろけたスーツに身を包むお父さん。



一呼吸置いて
お父さんが病室に足を踏み入れる。




「お父さん、病院は走っちゃダメですよ。」

お母さんが子供に問い掛けるように話す。




お父さんは真っ直ぐあたしを見つめてた。



そして―――…





パシン!!

…と風を切る音が鳴り響いた。



「お父さん!!」


お母さんが慌ててお父さんに掴みかかる。

それと同時に
右頬に感じる痛み。




「お父さん…。」


あたしは頬を押さえながらお父さんを見上げた。




「お前はっ!!一体何してるんだ!!」