悪いのはあたしなのに
大輔は小さく肩を揺らし手を額に当てる。




きっと
大輔はあたし以上に傷付いていて。


律義な彼の性格が
この寒い中
上着も羽織らずに俯く大輔の優しさを表していた。


息を切らし
病院へ駆け付けた大輔が安易に想像出来る。




あたしは
ただ、涙を堪える事だけで精一杯で。


彼を悲しみから救う二の区が出て来ない。





つくづく
どうしようもない女だった。






だけど言わなくちゃいけない。



あたしは、大輔の愛に答えられない。






今のあたしじゃ
誰も幸せになんて出来ないんだ。






「…ごめんね…。大輔、ごめんなさい…。」




あたしは
きっと誰も救えない。