あたしは浦吉に
先生、生徒としての優しさをもらった。
優しさって不思議だ。
時に人を傷付け
時に人を救う。
それが本物の『優しさ』なら
それだけで生きていけるような気がする。
ならばあたしは
本物の『優しさ』を
あげられる人で在りたいと思う。
嘘、偽りのない
『純粋な優しさ』を。
「もしもし…香苗?」
『……海音!?何回も電話したんだよ!何してたのよぉ!』
次の日。
あたしは久々に携帯の電源を入れた。
たくさんの着信に
心配のメール。
それには香苗や友達、大輔からの愛が溢れていて
浦吉の優しさに
あたしは色んな人に支えてもらってたんだと
今更ながら感じてしまった。