あたしも
実際そうだと思う。
大輔と付き合ったのも
彼を好きでとかじゃなくて
素直に嬉しかったんだ。
好きだと言ってくれてる大輔に
優越感があって。
あたしはそれに甘えながら
彼を知ろうとはしていなかった。
だからずっと
香苗が羨ましかった。
自分が必要とする人を
自分で捕まえた香苗に
あたしはずっと
嫉妬していたんだ。
「ま、これが俺から見た見解だ。」
そう言って窓を開けた浦吉は
日差しを浴びるように腕を伸ばした。
「ありがと…。ありがとね、浦吉。」
ポツリと呟いたあたしの言葉を
聞こえていないのか
浦吉は窓の外に視線を向ける。
本当は
聞こえてるくせに…。