「香苗、謝らなかったんでしょ。」

「……どおしてわかるのぉ?」



あたしのセーターを引っ張り肩に寄り添う香苗。


「あんまり泣くと化粧落ちるよ。」

「うぅ~…っ。」




香苗は不安だった。
それ故に
してはいけない事をしたのだ。


そうくんは香苗の過去を知った上で付き合った。

だから携帯を見られても怒ったりはしない。


そんなそうくんに
香苗は謝りもせず、そのまま携帯を見続けた。


次の日も
香苗は同じように携帯を見て。


それはもう当たり前のように。




そんな香苗に
ついにそうくんは怒ったらしい。


『いい加減にしろ。』
と。




その後
香苗が謝ってもそうくんは怒ったまま。

メールも返信はなく
電話も出ないそうだ。