結局、あたしは大輔との約束を断って
再び布団へと潜り込む。





そして再び光出した携帯に
あたしは顔を上げた。



そうくん……。


画面に浮かぶ
心から愛しい名前。





「もしもし…?」

『もしもし?寝てた?』


そうくんの声に
優しさに包まれたあたしは
ついに溢れる感情を押さえる事が出来なかった。





『海音……?どうした?』


電話越しに
テレビの音が伝わってくる。



『泣いてんの?何かあった?』




ダメだ。


限界だ、もう。





溢れ出した涙は
そうくんの声に反応するかのように止まらなくて


あたしは何も言わずに携帯の電源を落とした。





ごめんなさい。



涙の理由はどうしても




言えなかった。