まだ、大丈夫。
まだ、泣くな。
熱くなった目頭に
唇を噛み締めて携帯を閉じた。
そして
ドラッグストアーの袋を手に
あたしは部屋を出た。
深く
深呼吸をする。
何度も、吸い込んでようやく落ち着いた鼓動に
あたしは袋からある物を取り出した。
――…
『いらっしゃいませ。』
そう言った店員が
あたしの差し出した商品に一瞬
手を止めた。
そしてチラッとあたしに視線を向けて
すぐにレジを慣れた手付きで操作する。
『ありがとうございました。』
と言って会釈する店員は
もう一度、あたしに目線を向ける。
あたしの手には
妊娠検査薬―――…