でも何だったんだろ、あの夢……。
あの声は
確かに大輔だった。
悲しみ、そして憎しみがこもったような暗い声―――…
でも、当たり前かもしれない。
だってあたしは…
To:岩瀬 大輔
今日、少し時間ある?話があるんだ。
今日、大輔に
別れを告げる。
「海音、ご飯食べに行こう!」
「あ、うん…。」
香苗が手招きして教室の扉からあたしを呼んだ。
慌てて立ち上がり
あたしは香苗を追う。
「…混んでるかなぁ、食堂。」
「まだ、大丈夫じゃない?」
食堂までの渡り廊下を
あたしと香苗はのんびりと歩く。
春は更に深みを増し
温かい木漏れ日が草木を輝かせていた。