――遠くで誰かが呼んでいる。


誰?
あたしを呼んでるのは。



どこからともなく聞こえて来る呼び声は
徐々に近付いて来た。


誰……?


あたしは耳を澄す。






『海音…。どうして…』



………!!!





「……音!海音ってば!」


「……あれ…?」



細く開かれた瞳に
ゆっくりと視界が開かれた。



「もお。寝過ぎじゃない?お昼だよ!」

「ごめん…。爆睡しちゃった…。」


謝るあたしに
香苗が腕を組んだ。



「随分長い春ボケだね。」


「昨日、一睡もしてなくて…。」



そう告げたあたしに
香苗が

羨ましい。とぼやいていた。



「いいなぁ。あたしも彼氏、欲しい。」




そう、あたしはそうくんと別れた足でそのまま学校へと向かった。


そして授業中は見事に爆睡。




学校に来てる意味ないな…。