一通り海岸を歩いたあたしとそうくんは
再び防波堤へと腰を掛けた。


途中、海岸を抜けて
自動販売機で買った温かい紅茶を手に。





夢を
見てるみたいだった。

こうして二人
肩を並べて笑い合える。



そんな事一生ない。

そう思っていたから。




もう、我慢しなくていいんだよね。


この温かい手のひらに
自分の手を重ねていいんだよね――…








―ねぇ。


―ん?どうした?


―いつから、あたしの事好きでいてくれたの?


―何、急に。


―だって知りたいんだもん。


―じゃあ海音ちゃんは?


―もう、海音ちゃんって呼ばないでよ。


―はは。ごめん。呼び捨て恥ずかしいじゃん。


―もう何度も呼んでるじゃない。


―そうだっけ?


―そうだよぉ。






―海音。