『柳 蒼真くんって言ってね、本当かっこいいの!』
あれからしばらくして香苗はバイトを始めた。
『も~ヤバいよ!どうしよぉ!』
香苗はどうやらバイトで出会ったその人に運命を感じたらしい。
バイトの日はやけにおしゃれして
次の日はずっと柳くんの話で持ち切りだった。
そう。
香苗とそうくんの出会いはバイトで。
あたしが断ったそのバイト先で
香苗はそうくんに恋をしたのだ。
後悔。
そんな言葉じゃ片付けられない程
あたしは後悔していた。
あの時、香苗と一緒にバイトしていたら…
もしかしたら
そうくんの彼女になるのはあたしだったかもしれない。
いや、きっと
あたしは何としてでもそうくんの彼女になってた。
だってこんなにも
『欲しい』
そう思った事
今までに一度もなかったから。