浦吉は結局、あたしの質問に
答えといえるような言葉をくれなかった。



「おのずとわかる時が来るさ。まぁ、今のお前じゃ、きっとわからないだろうけど。」


浦吉の言葉に
あたしは溜め息をついて教室を出る。




自分で考えろ。
って事か………。





「随分長かったね?」

「わっ!」


突然聞こえた声に
あたしは驚いて肩を竦めた。




「香苗……。」

そこには笑顔であたしを見つめる香苗の姿があった。



「そんなに悩んでるの?進路。」

「……何か…自分のやりたい事、わかんなくて。」




香苗の目が見れない。



ふいに蘇る
冷たい唇―――…