「まぁ…そうだな…。」
ポツリと呟いた浦吉は
急に真剣な面持ちであたしを見据えた。
「お前は?」
「…え?」
「お前は、どうしたい訳?」
思いもよらない浦吉の質問にあたしの目が宙を舞った。
どうしたい?
あたしは、どうしたい?
わからない。
「わからない…。だから聞いてるんじゃんか。」
「はは、そうか。そりゃ悪かった。」
立ち上がった浦吉に
あたしは視線をあげた。
「例えばさ。その友達がその親友の子とは全く赤の他人だとして。」
あたしと
香苗が赤の他人…。
そう願った事は何度もあった。
「そうしたら、お前の友達はきっと、その彼を好きにはならなかったんじゃないかな。」