小学生の卒業文集に


『幸せなお嫁さんになりたい。』なんて
あたしらしくない事を書いた記憶がある。





あたしの幸せ。

それは叶えられる事によって
誰かを不幸にする。




小学生の頃は無邪気で
こんなありきたりな夢にあたしは
本気で叶えられるものだと思っていた。





「あのなぁ。俺はお前だけの先生じゃないの。」

「今は、あたしだけの先生でしょ。いいじゃない、減るもんじゃあるまいし。」



あたしの達者な口に観念したのか
浦吉は溜め息をはいた。




「何だ、お前田村の彼氏の事が好きなのか?」

「ち、違うよ!あたしじゃなくて!友達。」


ふぅん。と笑う浦吉は
全てを見透かしたような目であたしを見つめる。