突拍子もないあたしの問い掛けに
浦吉が顔を上げた。
「好き?奥さん。」
「それは進路に関係あるのか?」
「ある。すごく。浦吉の答えで、あたしの未来が決まる。」
そりゃ責任重大だ。
そう言った浦吉がペンを置いてイスにもたれ掛かる。
廊下で
誰かが歩いてる音が聞こえた。
「まぁ…そうだな。好きじゃなかったら結婚しないだろ。」
一生一緒に過ごすパートナーだから。
続けて話す浦吉に
あたしは
ふぅん。と答えた。
じゃあ……
「じゃあさ、もし…もし奥さんが親友の彼女だったら…
それでも好きになった?それでも、想いを貫き通す?」
「おい。さすがに進路には関係ないだろ、それ。」
指を器用に動かして
ペンをクルクルと回す浦吉。
「いーの。答えてよ。先生でしょ?」