うちの高校は
クラス替えを2年生の時に一度やるだけで
所謂、3年のクラスは2年の時と変わらないのだ。
もちろん、担任も。
「沖村、進路希望の欄空白だぞ。何かやりたい事ないのか?」
「…ない。何もない。」
雨は止まない。
静かな教室に
浦吉がうーん。とうねった。
「まぁ焦って決めても仕方ないしな。ゆっくり考えて、自分に見合う将来を選びなさい。」
「…浦吉、先生みたい。」
「アホ!先生だっての!」
相変わらずジャージを着てる浦吉は
白いノートにボールペンを走らせる。
「ねぇ。」
「ん~?どうした?」
浦吉は視線を下に向けたまま
まだ何かを書き取っている。
「奥さんの事、好き?」