−−−−−−−BLACK ROSE−−−−−−−
『助けたかったのだけなの。
不良ってだけで見捨てられた奴らに教えてたあげたかったの。
暖かい居場所があるってことを。』
一番大切な私の居場所。
私がBLACK ROSEを作ったのは中二の頃。
その頃から、家に一人でいるのが嫌で
よく芽衣と変装をして繁華街に出てた。
繁華街に行っては卑怯なことをする奴らを片っ端から潰してた。
私達は合気道や護身術を昔から
やっていたからそこら辺の不良よりかは
強かったみたい。
ある日、いつもの様に繁華街を歩いていると
路地裏でたくさんの不良がいるのを見つけた。
好奇心で芽衣と近寄ってみる。
近付いてみるとだんだん状況が見えてきた。
それは…喧嘩だった。
通り過ぎようとしたら明らかに大勢でしかも鉄パイプやバットを持っているのが見える。
『芽衣、あれは見逃せないわね。』
「だね。助太刀しちゃおっか」
ちょうど向かおうとした時、ナイフを持っている男が振りかぶった。
私は走って行き、
バシっ
『ちょっとそれは卑怯じゃない?』
冷たく笑いながら男の手を掴む。
「なにっ!?」
男は驚いている。
それもそうよね。
いきなり女が出て来て片手で自分の腕を止めたんだもの。
「お前誰だ?」
『誰だっていいじゃない』
「あ゛?女のくせにナメてんじゃねぇよ」
カチン
『女とか関係ないじゃん。卑怯なマネしてんじゃないわよ』
「ざけんじゃねぇ!!」
そう言って殴りかかってくる。
私はそれを避けて鳩尾を殴る。
男は倒れ込む。
それを見て、一斉に殴りかかってきた。
でも私と芽衣にかかればこんな奴ら5分で終わる。
全員を倒して、今まで倒れてた不良に声をかける。
『あなた大丈夫?』
「あ゛ぁ?余計なことしてんじゃねぇよ」
『それはごめんなさいね。私、卑怯なことは大嫌いだから自然に動いちゃったわ。』
「いっ」
『ケガしてるんでしょ?私が手当してあげるわ』
「うるせ『いーから早く。警察に突き出すわよ?』
「…分かった」
『よし。芽衣車呼んでくれない?』
「もう呼んだよ」
それから数分して車が来た。
『さぁ早く乗って。』
彼は驚きながらも大人しく乗った。
車の中で
『そういえばあなた名前は?」
「………拓也」
『そう。よろしくね拓也。私は真梨愛よ。』
「ぅちは芽衣だよ〜」
家に着き、私の部屋に通す。
『さっ、早く手当をしましょう』
手当が終わり、ずっと黙っていた拓也がいきなり話す。
「…んでだよ?」
『えっ?』
「なんで、俺にここまでしてくれるんだよ?」
『う〜ん。ただ単に心配だったから?』
「俺を心配?」
『えぇ。ケガしてるし、なんかほっとけなかったのよ』
「はは。真梨愛が初めてだよ。親にも学校にも見放された俺を心配してくれたのは。」
拓也が悲しそうに笑う。
「俺は必要とされてねぇんだ。」
そういう拓也に私は気付いたら
『ねぇ。だったら私と一緒に来ない?』
「?」
『私、芽衣と族を作ろうと思うの。暖かい居場所があるって教えてあげる。だから私と一緒に来ない?』
もう一度だけ言う。
「…あぁ。でも真梨愛達は喧嘩できんのか?」
『まぁそれなりに。』
「う〜ん。繁華街でしょっちゅう喧嘩してるけど」