「翠って、分厚い本読むの、好きだよね」 「まぁ」 「眠くならない?」 「なるよ、たまに」 「そーなんだ」 なんだ、この会話。 友達になったばかりの中学生みたいなだな。 「偉いよ、翠くんっ!」 えへへっと笑って俺の頭を撫でるくるみ。 その行動に思わずドキッとしてしまう自分。 ……ドキッ? 初めての、感覚。初めての、感情。 ドキッとした。 くるみの行動にドキッとしてしまった。