……多分、今の俺はくるみのこと、ただの幼なじみぐらいの程度しか思ってない。 付け加えると、ちょっと特別な幼なじみ。 別に、一緒にいてドキッとこない。 笑顔を見せても“可愛いな”ぐらい。 これって、なんなんだろう。 廊下を通り過ぎる瞬間、くるみと目が合った。 なぜかわからないけど、言いたくなった。 “お い し か っ た”と。 伝えたくなった。 くるみが作ったわけじゃない。 あくまでもくるみのお母さんの手作り。