日向とくるみ、幸せそうで良かった。 心からそう思った。 「翠くん、この本ありがとう」 「うん」 やっぱり図書館は静かで落ち着く。 本に囲まれて太陽の光を浴びて。 そして、この子の存在もあるから。 「私もこの本、好きなんだ」 そう言って俺に微笑みかけるのはこの図書館で出会った一人の女の子。 【小野 千帆】ちゃん。