その時ヒュン、と顔の横で空気の通る音がした。な、何???

横を見ると、富岡さんの小さな手が壁に…?

あたしはものすごーく嫌な予感がした。背筋がひんやり冷たい気がするし…。

恐る恐る前を見ると、そこには富岡さん

…はもういなかった。

いや、正確にはいる、いるんだけど

今までと違ってすっごい怖いオーラみたいのまとってるし、

相変わらず可愛い顔立ちなんだけど、表情も何かすっごく黒い?し…。


『ねー、話…聞いてよ』


『は、はい?』


『俺、女じゃなくて、男なんだけど!!!!!!!!』