緊張する。



手も唇も震える。


ドンドン顔を近づける。



ううううう。恥ずかしい。



近づくと耳にかけてた髪の毛がパラって耳から外れた。


そしてちょうどみんなには見えないくらい


そしたら悴が


「今はキスすんなよ?」



って小声で言うからしなかった。





そして、今日の劇の練習はこれで終わりらしい。



杏ちゃんと帰ろうと思ったけど、この後バイトだからって言って先に帰っちゃった。




しょうがなく帰る準備をして下駄箱に向かう。



下駄箱に着くと悴がいた。

頬をプクーってふくらませて


「遅い!」



って。


「なんで?」



ニコって悴は笑うと


「だって一緒に帰りたかったの。ダメ?」



ダメな訳がない。



だって大好きだもん。