Γあ、うん」


よく分かんない空気が漂う中、あたしは声を漏らし車から降りた。

助手席から手を振ってくる莉子に手を振りながら、またあたしの頭が混乱し、訳わかんないまま莉子達を見送った。


なんか、肝心な所でよく遮られる。その遮られた部分が自棄に気になりしっくりと来なかった。

ま、聞くな。と言う事なんだろう…結局あたしはそう捕えて久し振りに我が家に足を踏み入れた。

変わってないこの風景に懐かしい家の香り。全てが懐かしく感じる。


Γただいま…」


いつも毎日言う言葉。その言葉に何の返事もないのに、今日は違った。


Γおかえり、アユ」


そう言って出迎えてくれたのはママだった。


Γ久し振り。元気だった?ちゃんと食べてるの?」

Γうん」


本当に懐かしそうに次々と言葉を掛けてくるママにあたしは頷くリビングへと入った。


Γアンは?」


辺りを見渡すあたしに、


Γ帰らないってさ。あたしが居たら邪魔だろうって…」

Γふーん…」


ちょっと若干ビックリした。アンがどうしてそんな事を気遣うのか…。今日会ったアンはきっとあたしに確認する為にあんな事言ってきたんだろう。


なんか、分かんないけどあの頃のアンとは違う様に感じたのは気の所為だろうか…