それから莉子と他愛ない会話をダラダラと話し続け、時間が経つ事にだんだんと少なくなっていく人数。

二次会に行く人達はさっさと打ち切り姿を消して行く。


貸し切りで使われていたホテルの時間もあり、あたし達が出たのも0時を回ってた。


Γねぇ、大和は?」


外に出て、あたしの家まで送ると言った俊に甘えて駐車場まで歩いてる途中、莉子は俊の背中に向かってそう声を掛けた。


Γあー…帰った」

Γはぁ!?ちょ、何勝手に帰ってんの?何も言わずに…」

Γじゃあなって言ってたぞ」

Γじゃなくて、あたし聞いてないし。ね、アユ?」


突然話を振られたあたしは俯いてた顔を上げ、


Γあ、う、うん」


曖昧に頷く。

本当に何も聞いてないし、いつ帰ったかも知らない。帰ったんだ…そう思うと何だか無性に淋しく感じた。


Γ店、戻んなきゃいけねぇってさ」

Γへー…大和も大変だね」


そっか。Barで働いてる大和は今から本番か…


Γあ、アユ?」


不意に聞こえた俊の声に、目を向けると、俊はクルっと後ろを振り返りそのまま後ろ歩きで歩く。


Γ何?」

Γ大和がさ、遅れなくてごめん…ってさ」

Γあー…うん。いいよ全然」


そう言ったあたしに俊は口角を上げて微笑み、また前を向いて歩きだした。