雄二さんと別れた後、電車で7分くらいの所にある最寄り駅で降りた。
そこから歩いて6分の所にあるのは6階建てのマンション。もう5年は住んでるあたしの住まい。
エレベーターを乗る前にポストを確認し、中に入っている何枚かの郵便物を取出し部屋に向かった。
鍵を開けて入る先は真っ黒な部屋。物音しない部屋に始めは淋しく感じた。だけど今ではもう慣れっこになった。
ヒールを脱ぎながら1日の疲れであろうため息を全て吐き出し、手に持っていた鞄と郵便物をベッドの上に投げ捨てた。
喉を潤そうと思いつつ冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出し口に含む。そのままベッドまで向かい腰を下ろすとギシッとベッドのバネが弾んだ。
座ってすぐ何気なく目を向けた先に見えた物に思わずあたしの目が釘付けになってしまった。
そこにあるそれ。あたしの視界に入り込んでいる“それ”。たった一枚の“それ”――…
葉書。
ベッドの上に無造作に置かれている葉書。その葉書に書かれている文章に思わずあたしの目が止まってしまった。
その葉書に手を伸ばし、あたしは目の前まで持ち上げる。
Γ同窓会…」
それは懐かしい高校時代の同窓会の知らせだった。