Γでも、あたしは凄いと思うよ?胸張ってさ、彼氏を送り出すなんて凄いよ。会えない訳じゃないじゃん、会おうと思えば会えるじゃん」
Γでも…」
Γあたしより逆にユリちゃんを尊敬するな…あたしは」
そう言ったあたしにユリちゃんは不思議そうに顔を上げ首を傾げながらあたしを見つめた。
Γあた…しを、ですか?」
戸惑い気味に呟くユリちゃんにあたしは何度も頷く。
Γそうそう。なんか凄いと思う。あたしの18の時ってそんなしっかりしてなかったからな」
あの頃の光景をつい思い出すあたしの声はなんとも言えないほど暗かった。
そんなあたしの表情に気付いたユリちゃんは、
Γアユ先輩って離れ離れになったんですか?」
なんとも言えないほど哀しそうな声を出した。
Γあ、いや。そんな相手は居ないんだけどね。あたし長続きしないから」
そう言ってあたしは何もない様に笑って返した。だけど内心は何か心残りをした様な感覚に襲われた。
そう、あたしは本当に長続きしない。アンから離れた解放感で、こっちで知り合った何人かの人とあたしは付き合った。
だけど全然続かなかった。それは何でか自分にでも分かんなかった。
ただ何かが物足りない感じ。相手に何かを求めても足りなかった。