Γへー…ユリちゃんの彼氏?」
Γはい」
そこには何枚かの彼氏と映ったプリクラと写真があった。卒業したばかりであろうユリちゃんの写真はどれも制服姿。
その制服姿を見た途端、何故か凄く凄く懐かしく感じてしまった。
あの頃のあたしは自分でも分かるくらいに素っ気なくて強がってて意地張ってて…可愛い素振りさえも何もなかった。
決して戻りたくはないあの頃の自分。
けど色んな人が居て色んな人に支えられてきたからこそ今の自分が居て、その頃の人達に感謝したい。
Γいいね、華の10代じゃん。幸せにね」
そう言った瞬間、またユリちゃんは表情を崩し眉を潜めた。
Γでも…遠距離なんです。行きたい大学があると行って遠くに行ったんです」
そう小さく呟いたユリちゃんは本当に哀しそうで鼻を啜りだした。
Γ寂しい?」
Γ勿論、寂しいです。今まで一緒に居たから突然居なくなると寂しいですよ」
ユリちゃんは哀しそうに目の前の彼氏とのプリクラを人差し指で何度か撫で小さくため息を漏らした。