大して広くない部屋に莉子と俊の歌声が広がる。何が面白いのか分からないけど、たまに俊と莉子は笑いながらジャレ合う。
そんな光景を余所に視線を隣に向けると大和は特に歌う曲を決める訳でもなく、ペラペラと捲りテーブルにあるコーラに手を伸ばした。
ボーっとする視界の中で、あたしは天上を見上げる。不意に出た深いため息に思わず自分でもビックリしてしまった。
なんか疲れる…
特にこれといって楽しい事もなければ特別したいって事もない。時たま、こんな18歳ってありなんだろうかとも思う。
勿体ない。人生楽しくないほうが多い…何度もため息を吐き捨てた後、あたしは鞄の中に入ってるiPodを取り出し、イヤホンを耳に押し込んだ。
スタートボタンを押し、部屋に負けないくらいの最大音量にして軽快に歌が流れはじめた時、
Γ痛っ…」
あたしの頭に衝撃が走った。思わず顔を顰めて隣を見ると、大和はあたしの頭を叩いたであろう雑誌をテーブルに投げつけた。
投げた後、あたしの耳に入っているイヤホンを素早く取る。