Γそんな訳ないじゃん。…大和も誘おうかと…」
ちょっと自信なさげな声にあたしは思わず笑みを漏らした。
Γへー…3人でねぇ…」
呟きながらチケットから莉子に視線を移すと、莉子は一瞬、目を泳がした。
Γいや…3人じゃなくて…俊(しゅん)も…」
そう言う莉子は照れくさそうにニコッと微笑んだ。
俊と言うのは大和のツレ。大和といつも居る俊に莉子は恋い焦がれている。
Γだったらあたし行く意味ないじゃん。2人で行きなよ」
Γ行けないから誘ってんの」
Γだってあたしカラオケ好きじゃないし」
Γいいよ歌わなくても。アユはただ座ってるだけでいいよ」
Γそれって余計に居る意味ないんだけど」
Γま、気にするなって。んじゃ、決まりね」
あろうがままに勝手に莉子は話を進めて決定する。
そんな莉子に思わずため息が零れた。