Γあ、何?」
Γ何って、おはよーっつってんの」
Γあぁ…おはよ」
愛想なく返すあたしに大和は、
Γ相変わらずだな。…アユは」
そう言ってあたしに背を向けて足を進ませた。
相変わらずって何だろう。まぁ、きっと相変わらず冷たいか…無愛想とでも言いたいんだろう。
でもそう思ってても口に出さない大和がやっぱり良く見えてしまう。
片方だけまだ塞がっているイヤホンをあたしは外し、そのまま鞄に突っ込んで、あたしは3階まで駆け上がった。
Γアユ、おはよ」
教室に入るとど真ん中に座っている莉子があたしに向かって手を振る。
Γおはよ」
莉子が座る後ろに腰を下ろすと莉子はあたしに一枚の紙切れを差し出した。
スッと机の上を滑らせて目の前に現れたのは、どうやらカラオケのチケット。
Γ…お願い」
突然、声を張り上げた莉子は目の前で両手を合わせて不安そうに片目を瞑った。
Γ何?行くの?」
Γうん。一緒に行こ?」
Γえ、2人で行く気?」
そう言いながら、あたしは机の上にポツンと置かれいるチケットを摘んだ。