Γねぇ、アユ?」


そう言って笑みを漏らすアン。


Γ何?」


そんなアンに愛想無く返すあたし。


Γ大和くんにね、一度だけ聞いた事があるんだ」

Γ何を?」

Γ高校生だった頃。あたしとアユどっちが好きってね」


そう言ったアンはクスクスと笑い、


Γはっきり“アユ”だって言われたよ。そんな事を聞いて大和くんが初めてだった。“アユ”がいいって言った人…」


そう言葉を続けた。


Γだからね、大和くんはその頃からずっとアユが好きだったんだよ?」




そう笑みを絶やさずに笑っているのは、あたしの双子の妹のアン。

切っても切れない血の繋がりを持つ妹のアン。



Γアユは幸せ者だね」



そう言って微笑んだアンが少し良く見えたのは気の所為だろうか――…





゚・*.゚。・*゚甘い恋の誘惑゚*・。゚.*・゚