やがて、緞帳(どんちょう)があがると同時に、会場が真っ暗になった。

突然の暗転に、会場が静寂をともなうざわめきにつつまれた。

「えーっ」
「なに?」
「うっわ、まっくらだし」

ひそひそとした声を聞きながら、突然変わった環境を把握しようと周囲を見渡していたその時だ


ドォオオオオオウウンンン…

ドォオオオオオウウンンン…

カチッ

カチッ

「ハァッ!!!」

という掛声と共に、ステージの上に50人、いや、100人以上のハチマキをした男女が駆け出し、羽織半被に身を包み、ずらりと参上した。

「待ってましたー!」
「蝶舞ーーーーーーーーー!!!」
「いのうえーーー!!!」

スポットライトに照らされたその人々は、両手に楽器のようなものを持ち、そろったダンスでスピード感あふれる曲に乗り、跳ね、足を鳴らし、回り、そして、会場の人々を魅了し飲みこんだ。

激しいステップ、まるで、人気アイドルのダンスを見ているようで、次々と新しい世界を表現していく。

「すごい…」

思わず、息を漏らしてしまった。

3分間の短い時間

私は、そのサークル、よさこい踊りに魅了されてしまったのだ。