もしも、あの時



お前が俺に別れを告げなかったら、



きっと俺とお前は本当の『愛』も『幸せ』もきっと分からなかったと思う。




本当の『運命の人』も知らずにただ現実に目を逸らして偽りの『幸せ』に慕っていたと思う。



でも、お前とのあの空間の中にも、今とは違う『幸せ』があったと思う。




だから、晴子との繋がりはきっと意味があったんだ。


俺が七瀬と結ばれるために。

晴子が旦那サンと結ばれるために。



必要な道のりだったんだ。



そんな必要な道のりの相手が晴子で良かった。




「晴子サンの旦那サン・・・なんか抜けてそうな人だね」


「クックックッ、七瀬。それは失礼だろ」


でも、確かに晴子の旦那サンはちょっと間抜けな顔をして写っていた。


「でも、幸せそうな笑顔だね」


「・・・あぁ」


きっと、こんな幸せそうな笑顔を引き出しているのは晴子。



愛する人のこんな表情を引き出すことができる晴子はやっぱりすごい奴だと思った。