「こんなこと晴子に言うのは最低だと思うけど、俺やっぱり夏木七瀬が好きだ」


「・・う・・・ん」


喉が痛くて、美味く話せない。


「でも晴子といた時はすっげー安心した」


「え・・・?」


「晴子の笑顔好きだったよ」


「・・け・・・い」


卑怯だよ。

そんな優しい目で見ないでよ。


「ごめんな・・・始まりも、終わりも・・・俺のわがままで」


「・・・謝らないで?あたしはすごい幸せだったんだから」


「俺も幸せだったよ」


「ほ・・・ん・・と・・う?」


「あぁ。晴子にはたくさん幸せ貰ったよ・・・・ありがとう」


これまでの圭の笑顔で1番良い笑顔だった。


「あたしも・・・ありがとう」


「・・・俺、頑張るから。あいつを振り向かしてみせるから」


「・・・うん。頑張って」


本当は応援できないけど、圭の笑顔が見れるなら、応援できる・・・。


「晴子は、俺にとって勿体ないぐらい良い女だった」


「そんなことないよ」


あたしは3ヶ月間、圭が夏木さんのこと好きなことを知ってたのに別れを告げられなかった醜い女。


「いや、お前はすっげー良い女だった」


醜い女なのに圭は良い女と言ってくれる。

圭は本当に優しい人。