「圭には、いっぱい幸せを貰っちゃったね」
「・・・そんなことねーよ」
「貰ったよ。あたしは圭と付き合えて、とっても幸せだったよ」
顔を赤くして初めて『圭』って呼んだとき、圭は笑ってくれたね。
初めて手を繋いだとき、お互いなぜか大笑いしたね。
色んな・・・色んな思い出をいっぱいくれたね。
「圭っ」
ガッシャン
「3ヶ月間ありがとうっ」
ブランコから立ち上がって、目の前にいる圭に礼をした。
「・・・あいつを諦めかけていたときに晴子から告白された。
晴子となら、あいつのこと忘れられると思ってOKした」
そうだったんだ・・・。
「晴子と付き合ってから、すっげ―楽しかった・・・でも、やっぱり忘れられなかった。
晴子は何も言わないから大丈夫だと、調子乗って、ずっと放課後あいつを見てた。
今考えれば、そんなことしてる瞬間から忘れる気ないよな・・・」
「・・・」
なにも言えなかった。
涙が流れて、なにも言えなかった。
この涙は悔しさの涙。
圭の気持ちを変えられる様な良い女になれなかった悔しさ。