圭はいつも
あたしの隣で
ずっと遠くを
みつめていた。
遠く・・・遠く・・・
圭ではない
人の隣りで笑っている
夏木さんを
圭はただ、ただ
みつめていた。
悲しい表情もせず
悔しい表情もせず
ただ無表情で
真剣に圭は
夏木さんみつめていた。
そんな圭を
あたしは
ずっとみつめていた。
キィー・・・
「圭・・・別れよう・・?」
もう1度言う。
「晴子・・・」
圭が呼んでくれる自分の名前が大好きだった。
「ん・・・?」
キィー・・・
「ごめん」
圭はあたしの前まで来てくれて、頭を下げてくれた。
あたしはブランコを漕ぐのを止めて座った。