ちょ、ちょっと、さっきから混乱ばかり。



さっきまでほわほわ、天にまで昇るキモチだったのに。



今は、口の中が苦い……。


それじゃあ、このアヒルちゃんは……。



私はそのペンをかざし、沢原くんをじっと見た。



「どうして私にくれたの?」
 


花村さんからもらったものなのに。



私にくれるなんて。



元カノからもらったものなのに。



好きって言ってくれた私にくれるなんて。



処分方法に困っていたの?


「深い意味はないんだよ。ただ、君が元気が出るようにって。……だけど、俺もデリカシーないよな」
 


私。アヒルちゃんに愛着を持ち始めていた。だけど。


「返す」