・・・。僕は泣いている。
僕は小さい頃から気が弱く、いつもいじめられることが多かった。
また同学年の男の子達が僕にやってきて、
「や~い!泣き虫~!」
と笑うんだ。
僕は悔しかった。
泣きたくて泣いているわけではないのに涙が溢れてくるんだ。
けどそのたびに、
「ちょっとあんた達!やめなさいよ!」
一つの怒鳴り声が響く。
「うわあ!?あいつだ!あの暴力女だ!!みんな逃げようぜ!」
と僕を笑っていた奴らがその怒鳴り声に怯えて、走って逃げていくんだ。
「ふう~。あいつらほんとにガキ以下ね!!陽太ほら。手!」
美月は座りこみ泣いている僕に手を差しのべる。
僕はその手を掴み、引き上げてもらうんだ。
いつも助けてくれた美月の手は頼もしく、とても大きな手に感じた。
僕は美月のように強くなりたかった。