彼女は僕のひどく焦っている様子を心配し、顔を覗きこんでくる。
だめだ。
こんなに顔が近いと僕・・・。
彼女の髪がふわふわとシャンプーの良い香りを漂わし、僕の嗅覚をくすぐる。
「陽太!ほんとに顔色が悪いよ。早く帰って寝たほうが良いよ!送ってあげるから!」
美月は手をギュッと握って、僕を引っ張る。
昔は大きく感じた美月の手、今はすごく小さく細い感じがした。
手を繋いだ瞬間に昔の光景が頭の中に駆け巡った。
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